パン、と一つ銃声が響き赤いプルトニウムが持つ拳銃から吐き出された弾は 逃げ遅れた渡辺剛太(レム色)の腹を捉えた。鮮血が飛び散るのが、 相方――唐沢拓磨の目にはまるでスローモーションのように映った。
 「…こいつが、犯人」
満足そうな笑みを浮かべ、銃を構える赤いプルトニウム。彼女の目は狂気に満ちていた。
 「大丈夫…もう殺されることはない。犯人を殺したから…」
そんな言葉、唐沢の耳には全く入っていなかった。 え――?何が起こったんだ?この血に塗れてる相方は一体何なんだ…? 必死に渡辺を揺する唐沢。しかし渡辺の胸は微かに動いているものの、その目が開くことはない。 もう死ぬのも時間の問題のように思えた。  「おい!!何でだよ!!コイツが犯人だって証拠でもあんのかよ?! 何デタラメなこと言って撃ってんだよ!!本当は、おまえが犯人なんじゃねぇのか!!??」 気がついたら叫んでいた。腹の底から。 唐沢はもう冷静さを失っていた。ただ目の前の銃を持つ殺人鬼だけを見据え、叫ぶことしか出来なかった。  「ちょ、唐沢君!!落ち着けや!!」
 「落ち着いてなんか…!!」
制する河本の声も耳に入らない。 死――血――死――殺す――!!頭の中を、そんな言葉ばかりが駆け巡る。
 「…証拠?そうだ…証拠なんて何もない…そうだよね…。 誰が犯人だかわからない…なら全員殺さなきゃ…!!」
赤いプルトニウムの手に持つ銃がゆっくり上がるのと同時に、 自分の首輪から発せられた光が、唐沢の視界に移る。 それが彼の最後の知覚となった。

――レム色死亡

【残り35組】

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