「馬鹿、だな」
目の前の木にぶら下がる死体を見て、長井は嘲る様に笑った。
「死んで、無様な姿晒して…」
長井は支給されたナップザックに手を突っ込んだ。
「自分が生きるより他人が生き残った方がいいってか?」
何か醜いものでも見る様な目。
「だからお前は売れなかったんだよ」
長井は自分に支給された、恐らく“当たり”の部類に入るであろう武器を死体に向けた。
───……。 長井は最早原形をとどめていない死体を見下した。
「俺は生きる。たとえ誰を殺したとしても」
そう言って長井は死体を一瞥し、今の銃声を聞き付けた奴がここにやってくる前に走り出した。

【残り65組】

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