芸人達が殺し合いを行う中、その管理を行う本部には穏やかな時が流れていた。 スタッフたちが各々の作業を行っている姿を眺めつつ、 このプログラムの最高責任者五味一男プロデューサーは回転椅子から立ち上がり本部のドアを開けた。
 「どうもこんばんはー」
 「あぁ、わざわざ来てくださって」
涼しげな挨拶と会釈を交わし、五味が本部に招きいれた人物―― 福澤朗と白石美帆は案内のまま近くの椅子に腰をかけた。 接客用の大きめのテーブルにスタッフがいれたコーヒーが三つ置かれる音が響く。
 「どうですか?調子は?」
福澤の問いに頷くと、五味はスタッフを呼び何か紙を持ってきてもらう。 それを目の前に座る白石と福澤に見えるようテーブルに置いた。
 「…これは?」 白石の視線が紙におち、二人は静かにそれを読む。
 「今回のプログラムで“ゲームに乗った人間”のリストさ。確認できたぶんだけだけど」
紙を指差し得意げに語る五味は、二人に提案あった。
 「それでなんだけど…三人でトトカルチョしません?誰が優勝するか、賭けましょうよ」
それを聞くなり二人は顔を見合わせすぐに真剣な顔になる。やっぱりお金が絡むと違うらしい。
 「いいですよー。もちろん。じゃあ私は…」
指で名簿をなぞりながら選んでいるようだ。やがて白石が財布から福澤諭吉を一枚取り出す。  「Diceさんで」
 「当てに来たねー」
 「当たり前です」
続いて選ぶのは福澤だ。彼の目も真剣そのもの。しばらくして決めたのか福澤も財布を取り出す。  「じゃあ、あべさんで」
 「あー妻子持ちは強そうですよねー」
二人の選択に共感しつつも、五味はしっかりと自分が誰に賭けるか決めていた。
 「五味さんは?」
その問いに答えるように、五味が指差した名前に二人は目を丸くする。
 「次長課長…?」

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