児嶋は戸惑った。 渡部の行動の意図が読めなかったのだ。 「渡部っ…!」 「退いてろ。」 渡部は青木に刃を向けていた。 「気がついたんだ…」 ナイフを向けられても一切動じ無い青木は口を開いた。 その顔に恐れは無く、 むしろ微笑みをたたえていた。 「…苦しまない様に、殺してあげますから…」 渡部は 笑顔で言葉を紡いだ。 「…よろしく。」 そして青木も 笑っていた。 「どうしてっ…なぁ…!?」 児嶋は渡部の手を揺さぶり、 気がついた。 青木の身体はもう正常に機能していないという事に。 「そこでね…爆発に、巻き…込まれちゃった…」 自嘲気味に笑う青木。 渡部はもう、何も言わなかった。 そして静かに青木の首にナイフを当てた。 仲間が減っていく。 殺めるんだ 人を。 児嶋は目を瞑った。 そして次目を開けた時 全ては終わっている筈だった… だが、悪夢というものはそう簡単に終わるものではなかった。 児嶋の目に飛び込んで来たのは、 肩から血を流した相方と 血相を変えて青木の前に立ち塞がる長井の姿だった──。

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