「ヒロシのヤロー、俺の事無視しやがって。」
いつもここから菊地は怒っていた。
「だって、あーたは斉藤(ヒロシの本名)と友達でもなんでもなかったでしょ。」
山田は、そう宥めた。
「ずるいよ、山田君ばっかり。俺の時は誰も泣いてくれなかったもん。」
「スピードワゴンの2人が泣いてくれたじゃない。」
「でも山田君のほうが感動が上だもんね。」
死んでも、相変わらずだなあと、山田は、かえって笑いたくなった。 確かに思いはたくさん残っている。 お笑い界でいつもここからというジャンルを作ること、 我ながら、パンクスな発想だと思うけど... でももう、菊地の手が血にまみれるところを見ないで済む。 糞みたいな番組の、最悪な企画に踊らされずに済む。 これでよかったんだ。 そう思わないとやりきれないってのもあったが。 菊地はまだぶつぶつ言っていた。
「もうすぐ来るから、斉藤に言えよ。」
そして山田は、ヒロシに、ヒロシを殺したのは インスタントジョンソンのジャイだということを教えるか否か、 考えていた。

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蛙 ◆GdURz0pujY
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