「あーあ…取れないなぁ」 鎌にこびりついた肉と血を洗い流すために波田は民家に入った。 既に誰か使用したのだろうか、物が散乱した家の中はほんの何日か前まで人が住んで居たとは思えなかった。 「…こんなもんでバレないかな」 タワシや洗剤を駆使してようやく赤い物を全て洗い流した波田は周りを見渡した。 (何か武器になるものとか…) 棚や引きだしを乱暴に開け、波田はあるものを見つけた。 「あー…イイ感じじゃ無いですか…」 ニヤリと笑う波田の手には 刃渡り20cm程の包丁が握られて居た。 「出来れば銃とか欲しいんだけど…無理ですよねー」 刀でも良かったんだけど、と呟いた波田は外へと繋がる扉を開けた。 その瞬間、 隔離されたかの様に静かだったそこ一帯に銃声が鳴り響いた。 「やってるやってるー…くーっ、早く誰かに逢いたいなぁ!」 無邪気に笑う死神は その包丁で その鎌で 自分以外の全ての人間を狩るために歩き出した。

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